アルメリックの2019年モデル ウルトラジョーのインプレをお届けします。 ウルトラジョーはいわゆる小波用ファンボードにカテゴライズされるボードですが、パフォーマンス性能が非常に高いと評判のボードです。今回はウルトラジョーに乗り込んで分かったことをインプレしていきます。
ウルトラジョーについて知っておきたいこと
ウルトラジョーは小波用のファンボードとして初心者や中級者に絶大な人気のあったアベレージジョーをベースにして改良したモデルになります。
アベレージジョー自体はユーザーフレンドリーで癖がなく、その圧倒的なボリュームで日本のパワーレスな小波でもグングン走るボードでした。初級レベルのメインボードとして中級者のセカンドボードとしては最高のボードでしたが、一方で上級者が乗るには動かない、鈍重なボードという側面もありました。
そこで、アベレージジョーのファンな部分は残しつつ上級者でも楽しめる改良を加えたのがウルトラジョーになります。とにかくパフォーマンス性能がアベレージジョーとは全然違います。もはや単なるファンボードではなくパフォーマンスファンボードといった言葉がピッタリとくる仕上がりになっています。
ウルトラジョーの特徴
レール | ミディアム~フル |
ノーズ | ハイブリッド |
テール | ミディアム~ワイド |
ノーズロッカー | 弱め |
テールロッカー | 弱め |
フィンセッティング | 3フィン / クアッド |
対応するコンディション
スキルレベル | 初級レベル~エキスパート |
スタンス | ナチュラル |
対応サイズ | ヒザ~アタマ |
ブレイク | ポイントブレイク/リーフブレイク/ビーチブレイク |
ウルトラジョーのインプレ
インプレで使用したボードサイズ
■SPINE-TEKの5’5 20 2 5/16 28.6L
■PUの57 20 1/2 2 3/8 31L
今回インプレに使用したウルトラジョーは以下のサイズです。
■SPINE-TEKの5’5 20 2 5/16 28.6L
■PUの57 20 1/2 2 3/8 31L
SPINE-TEKはアルメリックの最新EPSボードになります。SPINE-TEKについてもっと知りたい方は以下の以下の記事を参照ください。
私の体重は70~71kg、サーフィン歴20年以上、週3~4回のサーフィン頻度、パドル力は問題なし。いつもは27L前後のパフォーマンスボードに乗っています。今回はヒザ~コシでの使用を前提にあえてオーバーフロートでチョイスしました。
基本的に小波用のボードはいつも使っているボードより2~4L前後リッター値をアップして乗ることをオススメします。ジャストフロートでは性能をフルに発揮できない場合が多いです。
波のサイズはパワーレスなヒザ~コシの小波、ムネ~カタサイズのホレる波、一般的なビーチブレイクのアベレージコンディションでのインプレになります。
今回のインプレで使用したフィン
インプレ使用ボードがFCS2仕様だったのでFCS2フィンでスラスター(3フィン)とクアッド(4フィン)を使用しました。
■FCS II Reactor PC Carbon Tri Fins Lサイズ(FCS2のラインナップの中でもアップライトなフィンになります。いわゆる”フィンが立っているタイプ”のフィンです。好みの問題ですが、個人的にはウルトラジョーの様に短くてボリューミーなボードにはアップライトなフィンがマッチします。クイックなピボットターンが可能です。)
■FCS II Reactor PC Quad Rear Fins Mサイズ(クアッドで使用する場合に使用しました。フロントフィンがLサイズだったのでリアはMサイズをチョイス)
ファーストインプレッション~脇に抱えてみた印象~
アベレージジョーと比べると幅が細くなったのとセンター付近が薄くなったのを感じます。ですが、通常のショートボードよりはしっかりとしたボリュームがあります。
レール
レールですが公式ではミディアム~フルとなっていますが、触った感覚ではテーパー気味にボリューム落とした厚みになっています。このレール設定は扱いやすい印象です。脚力の弱い方や女性でもしっかりとレールを入れられるので、最近のボードに多い厚みのあるフルレールではレールが入らないといった悩みは解消されると思います。実際にムネ~カタでも使用しましたが、レールが入らないといったことはなかったです。
ロッカー形状
アベレージジョーはロッカーがフラットでしたが、ウルトラジョーには弱めのロッカーが入っています。パドルやテイクオフの速さを維持しつつパフォーマンス性能を上げるといった試みがよく表れている部分だと感じました。
コンケーブ
シングル~ダブル~Veeアウトになっています。ウルトラジョーの持つスピード性能はこのコンケーブに関係があります。
テール形状
テールはよく見ないと分かりませんがダブルバンプになっています。このダブルバンプがポケットでのクイックな操作性を可能にしています。特にスナップはスーパークイックでした。
パドル&テイクオフのインプレ
とにかく滑り出しが速いです。小波、特に厚い波で乗るとかなりテイクオフの速さを感じます。
ノーズエリア~胸の下辺りにしっかりとしたボリュームがありパドルがやりやすくスイスイと進みます。ロッカーがフラット気味で接水面が広いのでパドルが必然的に速くなるのだと思います。
テイクオフ時に前重心でパドルすることが出来るので、通常なら乗れない波であっても前重心でうねりに乗ったまま追いかけることが出来ます。テイクオフするまでうねりの上で粘れるってことですね。粘って粘って波が割れたときにサッとテイクオフが出来る、それがウルトラジョーの小波でのストロングポイントのひとつです。
ターン&リッピングのインプレ
ウルトラジョーの1番のポイントがリッピング性能の向上です。インプレ前は「実際にはどうなんだろう?」と気になっていた点でしたが、実際に試したところスーパーリッパブルでした!!
とにかくスピードが出ます。スピードが出るので必然的にリッピングやエアーのメイク率も高まります。特にスナップのしやすさは群を抜いています。見た目的には分かりずらいですが、多分、ダブルバンプが効いているのだと思います。
こちらの動画を見ていただくとリッピング性能が分かると思います。
トライフィン VS クアッド
結論から先に言えば、トライフィンでもクアッド でもどちらもフィットします。
今回のインプレではトライフィンとクアッド の両方で試乗しました。事前情報ではクアッドの評判が良かったので最初はクアッドで乗ってみました。確かにそのスピード感とフロー感にはまりました。
ただ、クアッドばかりに乗っているとスラスターのカチカチ感やクイック感がどうしても欲しくなります。なので、最終的にはトライフィンで遊んでいます。
難しく考えずにトライに飽きたらクアッド、クアッドに飽きたらトライ、そんな使い方でOKだと思います。
ウルトラジョーのライディング動画
まとめ「デザイン的にもカテゴリー的にも個人的にはセカンドボードとしての位置づけでしたが、メインボード扱いになってしまった」
ウルトラジョーは2タイプのライディングが可能です。例えばヒザ~コシの小波の場合は走って走ってグングン加速していき狙っていくセクションではパフォーマンスするサーフィン。波にサイズがある場合は走らずにポケットに留まってタイトなターンで繋げていく玄人好みのサーフィン。
ウルトラジョーはこのどちらのライディングも可能です。波のコンディションによるライディングの変化にしっかりとついてきてくれるので乗っていて楽しくなるボードです。
今まで海に入るときビーチに2本持っていきましたが、ウルトラジョー1本でカバーできる範囲が広がりました。デザイン的にもカテゴリー的にも個人的にはセカンドボードとしての位置づけでしたが、メインボード扱いになっています。
このくらいパフォーマンス性能が高いと中級者はもちろん上級者でも絶対楽しめます。フリーサーフィンで使うならパフォーマンスボードよりウルトラジョーもほうが面白いと思います。
以上がウルトラジョーのインプレとなります。