サーフィンのアップス(アップス&ダウン)のコツ

サーフィンの基本テクニックであるアップス(アップス&ダウン)のコツですが、はっきり言って”アップス=基本テクニック”というのは幻想です。アップス=基本テクニックという幻想に捕われることでサーフィンの上達が遅れるとしたらどうしますか?

日本ではサーフィンを始めると”アップス=横に走る”を目指す

日本でサーフィンを始める多くのサーファーが”アップス=横に走る”を目指します。テイクオフが出来る様になると、次はアップスという流れが出来ていますよね。

 

これはある意味仕方のないことだと思います。日本の波に多い腰~腹サイズの波はパワーがないので自らスピードをつける必要性があります。海外のサーファーがあまりアップスしない、アップスに拘らないのはスピードをつける必要性のないパワーのある波でサーフィンを始めているからです。

 

日本でサーフィンを始めたサーファーが、”アップス=基本テクニック”だという幻想に捕われるとサーフィンの本質を見失ってしまいます。多くの初心者が”波を横に走る”ことがサーフィンだと思っています。サーフィンの醍醐味(ショートボード)は、横に走るのではなく”波を上下に走る”ことです。

 

アップスが必要ないと言っているのではありません。スピードを得るためにアップスは必要です。ただ、アップスで得たスピードはあくまでも波の上下を使うマニューバーを描くために必要なのです横に走り抜けるためではありません。ここを理解していないとサーフィンの上達は遅れます。

アップスのコツ ~腕の使い方~

アップスのコツはいくつかありますが、今回は腕の使い方のコツについてフォーカスします。

 

初心者が勘違いするアップスのコツの一つに ”腕を振り回せばアップスが出来る”というのがあります。レギュラースタンスであれば右腕をブンブン振り回す、グーフィーであれば左腕をブンブン振り回す動きです。腕だけ振り回して乗っているサーファーは自分思っている以上にボードを動かせていませんしスピードも全然出せていません。

 

アップスで腕を使うこと自体は正解ですが、ボードにしっかりと加重&抜重を伝えるためにはもっと正しい腕の使い方が必要になります。

 

腕の使い方の正しいコツは、腕を振り回すのではなく、両腕を前方に振り上げることです。

アップスのコツは両腕を前方に振り上げる??

片腕だけではありません。両腕を前方に振り上げます(胸の高さまでスイングする)。”両腕を前方に振り上げる”という表現は動画のほうがイメージしやすいと思います。下の動画をチェックしてください。

 

どうですか?両腕を前方に振り上げるという意味が分かったと思います。

 

では、なぜテイクオフ後に両腕を振り上げるとスピードがつくのか? それは両腕を振り上げることでボードにしっかりと加重&抜重が伝わるからです。

 

両腕を下から胸の高さに振り上げる過程が抜重になり、それがボードに伝わり波のトップへ上がっていきます。次に振り上げた両腕を下げる過程が加重になり、それがボードに伝わりボトムへ降りていきます。これを1回~3回繰り返すことでスピードを加速させていきます。これがアップス&ダウンです。

両腕を振り上げるアクションは最高3回くらいが目安

アップスで横に走り抜けてしまうだけのサーフィンをしている初心者や中級者は多いと思います。せっかく乗った波なのでなるべく捕まりたくないという気持ちが、前に前に行かせてしまう理由の一つなのかもしれません。

 

逆に、上手いサーファーは”走り抜けてしまうこと自体がリスク”と考えています。アップスの目的は、あくまでも波の上下を使うマニューバーを描くために必要なスピードを得るためです。走り切ってしまっては美味しいセクションで技を入れることが来ませんし、アップスで作りだしたスピードが無駄になります。技を入れる、技を成功させるために作り出したスピードなのに、技を入れないのでは本末転倒になってしまいます。

 

両腕を前方にスイングする動作ですが、波の状態で回数を調整します。1回の動作でスピードがつく波もあるし、2回入れないと十分なスピードを得られない波もあります。両腕をスイングする動作を3回もすれば、技をかけるだけのスピードは十分付くはずです。両腕スイングは最高3回までにおさえて積極的に技を狙いにいきましょう。

片腕だけでアップスしている上手いサーファーもいるよね!?

片腕だけを使ってアップスしているプロや上手いサーファーもたくさんいます。加重&抜重をしっかりと板に伝えることが出来るのであれば、振り上げる腕は両腕である必要は決してありません。両腕スイングはあくまでも加重&抜重をボードに伝える方法の一つです。

 

今現在、片腕だけでアップスをしているがどうもスピードが出ていないと感じていたり、スピード不足で技が失敗してしまう方は両腕を使ってアップスすることをオススメします。驚くほどすぐにスピードに乗ったアップスが出来る様になりますよ!!

 

また、これからアップスを覚えようとしている初心者は最初から両腕を使ったアップスを練習したほうが上達が速いと思います。アップス=基本テクニックという考えに縛られずに、”アップスはスピードをつけるための手段”としてサクッと覚えてしまいましょう♪

プロから教えてもらったほうが絶対上達するよ!!

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