アルメリックの2023年モデル「G Skate」のインプレをお届けします。 G Skateはアルメリックの中で今1番お問い合わせの多いモデルです。今までのアルメリックにはなかったポップなカラーリングや家紋の様なヘックスなどのデザインも気になっている方も多いと思いますのでG Skateに乗り込んでみて分かったことをインプレしていきます。
G Skate(Gスケート)のインプレの前に知っておきたいこと
G Skateはアルメリックのライダーであるガダスカス3兄弟(デーン、パット、タナー)が開発に携わった2023年ニューモデルです。
その名のとおりスケーティーなライディングに主眼を置いて作られたモデルなので、一般的なショートボードよりスケートライクなサーフィンが可能です。
G Skateはノーズから1/2まではワイドでボリューミーないわゆるミニボードの様なデザインで残りの1/2がモダンツインの様なデザインになっているので、ミニボードの様な性能とツインの持つルース感、スピード、フローを味わえる新感覚のボードになります。
G Skateの特徴
レール | ミディアム |
ノーズ | ハイブリッド |
テール | ベビースワロー |
ノーズロッカー | 弱め |
テールロッカー | ミディアム |
フィンセッティング | 3フィン |
対応するコンディション
スキルレベル | 初級レベル~エキスパート |
スタンス | ナチュラル |
対応サイズ | ヒザ~オーバーヘッド |
ブレイク | ポイントブレイク/リーフブレイク/ビーチブレイク |
G Skateのインプレ
インプレで使用したボードサイズ
今回インプレに使用したG-Skateは以下のサイズです。
■PUの5’4 19 2 3/8 27.2L
■PUの5’6 19 1/4 2 7/16 29.1L
私の体重は73kg、サーフィン歴20年以上、週3~4回のサーフィン頻度、パドル力は問題なし。いつもは27L前後のパフォーマンスボードに乗っています。
今回はいつも乗っているパフォーマンスボードと同じくらいのリッター値である5’4と、約2Lほどリッター値を上げた5’6の2本で試乗してみました。
結論から先に言うと、サイジングに迷っている方はいつも使っているパフォーマンスボードやオールラウンドボードより2~4L前後リッター値をアップして乗ることをオススメします。そのほうがよりフロー感を味わえます。
5’4(ジャストフロート)は動きは動き過ぎるくらい動くけど
- いまいち走らない
- フローをそこまで感じることが出来なった。ただし、フロー感はフィンのセットアップ次第では変わる可能性大!!
逆に若干オーバーフロートの5’6のほうが
- はるかに板が走る
- ダウンザラインのスピード感を感じた
- フローを感じつつハイパフォーマンスボードのようなアクションが楽しめた
G Skateはジャストフロートでコントロールして乗るというより、少しオーバーフロート気味のほうがその特性を引き出せると感じました。そのほうが動きとスピード、フローのバランスが1番取れると思います。オーバーフロートにすると動きが悪くなってしまうのではないかと思われるかもしれませんがそんなことはありません。多少浮力を持たせても驚くほど動きます。当ブログではジャストフロートよりオーバーフロートを推奨します。*あくまでも個人的な感想なので他のサイトやyoutubeなどのインプレも参照してください。
今回のインプレで使用したフィン
■Merrick / Gudauskas 2 + 1
今回はボードがFutures仕様だったのでこのフィンをメインで使用しました。Gudauskas 2 + 1はガダスカス兄弟がG Skateにマッチするフィンとして開発に携わったシグネチャーフィンです。日本ではまだ取り扱いが少ないと思います。
大き目のサイドフィンとトレイラーフィンと呼ばれる小さなセンターフィンのセッティングで、2+1とかツインスタビとも呼ばれます。
ツインフィンの持つ特性を残しつつスラスターの様なターンも可能でG Skateの持つパフォーマンス性能を引き上げてくれます。スムースなラインを描きつつ狙っていくセクションではハイパフォーマンス出来るフィンです。しっかりとホールドもしてくれます。
このセットアップで特に感じたことですが、センターフィンが小さいのでトップでの板を返しに引っ掛かりがなくスパーンと板が返ります。あと、ツインスタビというとトロい波や厚い波に合うイメージですが、掘れた波で使用した時にも調子が良かったです。
*Gudauskas 2 + 1でなくてもお手持ちのツインスタビや他のフィンでも問題ないと思いますので、必ずしもこのフィンである必要はありません。2+1にこだわらずスラスターでもOKです。
ファーストインプレッション~脇に抱えてみた印象~
脇に抱えた印象ですが、フィッシュやツインを持った感覚に近い感覚です。しかし、一般的なフィッシュは全体的にボリュームがありますが、G Skateはセンターから幅とボリュームが絞られているのでさほどボリュームを感じません。
レール
レールですが公式ではミディアムとなっていますが、触った感覚ではミディアムより若干ボリューム落としたテーパーになっています。
ロッカー形状&コンケーブ
アルメリックのボードによく採用されているステージドロッカーと呼ばれるセンター付近のフラットな部分により、厚いセクションやパワーのないセクションでもスピードをロスせずに繋げていけます。
コンケーブはシングル~ダブルになっています。
テール形状
センターフィンあたりからウイングの様な絞りが入っています。テールエリアのボリュームを落とすことでルース性を高めスケートライクなターンを出来るようにデザインされています。更にテールエンドをベビースワローにすることで両端が支点になりクイックなターンを可能にします。またテールのセンター部分がないので水抜けが良くクイックなターンが出来ます。
パドル&テイクオフのインプレ
ノーズエリア~胸の下辺りにしっかりとしたボリュームがありパドルがやりやすくスイスイと進みます。ロッカーがフラット気味で接水面が広いのでパドルが必然的に速くなるのだと思います。
ノーズ寄りにボリュームがあるのでテイクオフ時に前重心でパドルすることが出来ます。パフォーマンスボードなら前重心でパドルするとノーズが刺さってしまいますが、ノーズエリアに浮力があるG Skateは刺さりません。
その為、通常なら乗れない波であっても前重心でうねりに乗ったまま追いかけることが出来ます。粘って粘って波が割れたときにサッとテイクオフが出来ます。なのでボード自体は短いですが体感的に長いボードに負けないくらいテイクオフが速く感じます。
前述しましたが、多少オーバーフロートにすることで必然的にパドル&テイクオフも速くなります。
ターン&リッピングのインプレ
G Skateに乗ってすぐに感じるのはそのフロー感です。このフロー感がスケートライクなライディングに繋がるのを初乗り一発目で体感出来ました。
ターンについては2+1でも十分ドライブしますし、小波であればスーパークイックなターンが出来ます。例えばカットバックを小波でやろうとしても難しいです。これがG Skateなら半径の小さなターンでボードが回ってくれるので「この小波でこのポジションでカットバックをいれられるのか!!」と驚きました。
リップに関してはスーパーリッパブルです。正しいポジションでなくてもボードが返ってくれます。悪く言えば誤魔化しが効きます!!誤魔化しが効くのは決して悪いことではありません。ボードにサポートしてもらうのはむしろ良いことだと思います。
またツインスタビなのでセンターフィンが小さい分ほどよくフィンが抜けます。ツインフィンよりは抜けにくいけどスラスターよりは抜きやすい。なのでリップアクションに伸び悩んでいる方がG Skateに乗ることで一気にブレイクスルーする可能性があります。
また、このボードはとにかくスピードが出ます。スピードが出るので必然的にリッピングやエアーのメイク率も高まります。
こちらの動画を見ていただくと小波でのリッピング性能が分かると思います。カリフォルニアですが日本のビーチブレイクでありがちな小波コンディションなのでイメージしやすいかと思います。
田中英義プロのインプレ動画です。フィンのセットアップはサイドフィンがLサイズ、センターフィンはMサイズを使用しているとのことです。
まとめ
■ アルメリックのライダーであるガダスカス3兄弟(デーン、パット、タナー)が開発に携わったニューモデル
■ 一般的なショートボードよりスケートライクなサーフィンが可能
■ ノーズから1/2まではミニボードの様なデザインで残りの1/2がモダンツインの様なデザイン
■ ミニボードの様な性能とツインの持つルース感、スピード、フローを味わえる
■ スーパークイックなターンが可能
■ 半径の小さなターンでボードを振り回せる
■ 2+1でもスラスターでも楽しめる
これからG Skateを購入しようとしている方へアドバイス
ジャストフロートより若干オーバーフロートをオススメします。
ジャストフローだと長さも短いし動き過ぎるくらい動くのついついガチャついたライディングになりがちです。ボードを大きくしてあげることで落ち着いたライディングになり小波でも映えるサーフィンになのでオススメです。
小波用のボード(ステップダウンボード)なのでパフォーマンスボードでは厳しい小波コンディションでもG Skateなら楽しめます。フリーサーフィンでもコンペでも小波ならパフォーマンスボードではなく間違いなくG Skateを持ち出します。
今まで2+1に乗ったことがない方は不安に感じる方も多いと思いますが、間違いなくその乗り味に驚かれる思います。前述しましたが、伸び悩んでいる方はこのボードに乗ることで化ける可能性が高いです。
また、ダガスカス兄弟も言っていますがスラスター(いわゆる3フィン)でも楽しめるとのことです。特にタナーはスラスターのほうがオススメとまで言っています。フィンのセットアップでバリエーションを楽しめるように開発したとも言っているので2+1にこだわらずスラスターで乗ってみると新たな乗り味や発見があるかもです。