アルメリック CIフィッシュのインプレをお届けします。 CIフィッシュ自体は昔からあるモデルですが、パフォーマンスボードのエッセンスをプラスすることでパフォーマンスフィッシュとして生まれ変わっています。普段スラスターに乗ってる方はCIフィッシュに乗ることで新しい価値観が得られますよ!!
ツインの良さが見直されてきている
ここ数年、世界中でツインフィンの人気が上昇しています。競技的なサーフィンではなく波乗りをより楽しむためにツインフィンの良さが改めて見直されてきているんですね。
大手ボードメーカーからも続々とツインフィンモデルがリリースされていて選択肢も増えてきました。特にDHDなんかは競技用のパフォーマンスボード同様にツインフィンにも力を入れています。これはライダーのAsher Pacey (アシャ・ペイシー)の影響もありますね。
「アシャ・ペイシーって誰?」って方はこちらの動画をご覧ください。これを見ると絶対ツインフィンに乗りたくなりますよ!!
動画でアシャが乗っているのはレトロフィッシュではなくパフォーマンスフィッシュです。CIフィッシュと同じコンセプトのボードです。
もし、フィッシュがテイクオフ&スピードが速いだけのボードだと思っているなら時代遅れです。テイクオフも速い、スピードも速い、そしてパフォーマンス性能も高い、それが最新のフィッシュになります。
CIフィッシュについて知っておきたいこと
CIフィッシュはレトロなツインフィッシュではなくパフォーマンスツインフィッシュです。フィッシュの持つ性能はそのままにリッピング性能が非常に高いボードです。従来のフィッシュより全体的に薄く、どんな波でも対応出来るデザインになっています。
CIフィッシュの特徴
レール | ロウ~ミディアム |
ノーズ | ハイブリッド |
テール | フィッシュテール |
ノーズロッカー | 弱め |
テールロッカー | 弱め |
フィンセッティング | ツインフィン |
対応するコンディション
スキルレベル | 初級レベル~エキスパート |
スタンス | ナチュラル |
対応サイズ | ヒザ~アタマ |
ブレイク | ポイントブレイク/リーフブレイク/ビーチブレイク |
CIフィッシュのインプレ
インプレで使用したボードサイズ
今回インプレに使用したCIフィッシュはストックサイズの5’8 20 1/2 2 5/16 (31.6L)
私の体重は70~71kg、サーフィン歴20年以上、週3~4回のサーフィン頻度、パドル力は問題なし。いつもは26L前後のパフォーマンスボードに乗っています。今回はフィッシュなのであえてオーバーフロートでチョイスしました。
波のサイズはコシ~ムネまでのサイズで、グッドコンディションだけで乗り込みました。バッドコンディションでは一切乗っていません。ボード本来の性能を体感したかったのでいい波の時にだけ乗ってみました。
今回のインプレで使用したフィン
インプレ使用ボードがFutures仕様だったのでFuturesフィンでタイプの違う2種類のフィンを使用しました。
■DHD Futures ALPHA T1 Twin Fin Set(パフォーマンスツインフィンです。スラスターよりのサーフィンが出来ます。センターフィン用のスタビライザーフィンも付属しているので使い勝手の良いフィンセットです)
■Futures K2 KEEL for Twin Fin(レトロなキールフィンですが今風にアレンジされています。よりクラシックにサーフィンしたい場合はオススメです。CIフィッシュとの相性も良かったです)
ボードがFCS2仕様であれば以下のフィンがオススメ
■FCS II Modern Keel Twin Fins(レトロなキールフィンを若干今風にアレンジしたフィンです。CIフィッシュに合わせるフィンとしても相性はいいと思います。)
■FCS II MR PC Tri Set(マークリチャードのシグネチャーフィンです。ドライブ性能とスピード性能が高いパフォーマンスフィンで、センターフィン用のスタビライザーフィンも付属しています)
ファーストインプレッション~脇に抱えてみた印象~
脇に抱えてすぐにレトロフィッシュとボリュームが違うのをすぐに感じました。今回はあえてオーバーフロートでボードを選びましたが、それでも全体的にフォルムが薄く、テールエリアもボリュームは左程ありませんでした。
あくまでもレトロフィッシュのボリュームと比較した場合の感想です。通常のショートボードよりはしっかりとしたボリュームがあります。
レール
レールはロウ~ミディアムとボリュームを落とした厚みになっています。このレール設定は扱いやすい印象です。脚力の弱い方や女性でもしっかりとレールを入れられるので、最近のボードに多い厚みのあるフルレールではレールが入らないといった悩みは解消されると思います。
ロッカー形状
レトロフィッシュはロッカーがフラットなものが多いです。CIフィッシュのロッカーもフラット気味ではありますが弱めのロッカーが入っています。フィッシュの良いところを残しつつパフォーマンス性能を上げるといった試みがよく表れている部分だと感じました。
コンケーブ
浅いシングル~弱めのVeeアウトになっています。CIフィッシュの持つスピード性能はこのコンケーブに関係があります。
テール形状
テールはワイドでしっかりとしたビックフィッシュです。ですが、レトロフィッシュに比べるとボリュームが薄くなっています。テールの幅はそのままで厚みを薄くすることで波からのパワーをしっかりと拾いつつパフォーマンス性能を上げる仕掛けが施されています。
またフィッシュの両端が支点になりクイックなターンを可能にします。スカッシュテールとは違いテールのセンター部分がないので水抜けが良くターンがやりやすくなります。
パドル&テイクオフのインプレ
今回はオーバーフロートのサイズだったこともありますが、パドルはやりやすくスイスイと進みます。ロッカーがフラット気味で接水面が広いのでパドルが必然的に速くなるのだと思います。
テイクオフに関しては売り文句ではなく激早です。通常のパフォーマンスボードよりワンテンポ早く立てます。これはビックフィッシュが波のパワーを余すことなく拾っていること、ロッカーがフラット気味だということ、そしてフィンがツインだからという点に起因しています。
一般的にトライフィンよりツインフィンのほうがテイクオフは早くなります。フィン1本分の抵抗がなくなるからですね。CIフィッシュもフィン1本少ない分、滑り出しが速くなります。
驚いたのはテイクオフのひっかかりが皆無だったことです。調子のいいボードが持つ特徴のひとつとして、スムーズでひっかかりのないテイクオフが出来るかどうかというのがあります。スムースなテイクオフが出来ればその後のライン取りにも余裕が生まれます。結果、ライディングの質が上がります。CIフィッシュもそんな調子のいいボードが持つスムースなテイクオフという特徴を備えています。
また、ボードの特徴として1番横幅があるワイデスポイントがノーズ寄りにあるので、トロい波や厚い波でもテイクオフ時にノーズ加重で板を落としやすくなりワンテンポ速いテイクオフが出来ました。
ターンのインプレ
アウトラインがストレートになっているのでターンの伸びを感じます。捕まるかなというセクションでも板が前に出てくれるので「あれ?抜けれちゃった!!」みたいなことが何回かありました。
また、ドライブを効かせたターンやカービングのルース感が最高です。トライフィンでは感じることが出来ないフィーリングですね。カチカチとした感覚ではなく独特のルースさがなんとも言えません。個人的にはカービングとレイバックが過去最高のフィーリングでした。
あとはスピード感とフロー感ですかね。これが本当に気持ちいい♪ このスピード感&フロー感がツイン人気の理由だと思います。
ただ、このフロー感やルース感覚が合わないと感じる人もいるだろうなと感じました。ツインフィンがどんなものか知っていて、トライフィンとの違和感を楽しめる方にはフィットします。ですが、ツインフィンにカチカチ感やクイック性能を求めている方にはフィットしません。
一般的にトライフィンに乗りなれているとツインに違和感を感じ、ツインに乗りなれているとトライフィンに違和感を感じます。 当たり前ですよね。その違和感を吸収して楽しむためにはある程度の技術とレベルが必要になります。 そういった意味でツインフィンは初心者には難しいと言われている要因かと思います。
リップアクションのインプレ
今回の改良で1番のポイントがリッピング性能の向上です。実際にどうなんだろう?とインプレ前に1番気になっていた点でした。基本的に横に横には簡単に行けます。行けるというかグングンと走ってくれます。問題は縦にバーティカルに仕掛けたらどう反応するのか?
実際に試したところ「スーパーリッパブル」でした!!フィッシュテールの角が支点になって簡単に板を上げれます。トップでの返しも軽くスパーンと決まります。強く蹴り過ぎると抜けてしまう感が強くなりますが、タイミングが合った時のスプレーの量は半端なかったです。
レトロフィッシュの弱点であったライディングの重さはCIフィッシュにはありません。「フィッシュなんてスピードだけで重いんでしょ?」ってまだ思っている方はすでに時代遅れです。今のフィッシュは驚くほどスーパーリッパブルですよ!!
CIフィッシュのライディング動画
まとめ「ツインに乗り慣れちゃうとトライフィンには乗れなくなる」
ツイン、特にフィッシュに乗ったことがない方はサーフィンの楽しみを損していると思います。それほどフィッシュが与えてくれるスピード、ターン、フロー感は癖になります。「ツインに乗り慣れちゃうとトライフィンには乗れなくなる」というのはそれほどツインが楽しいボードであるということの裏返しの意味です。
特にパフォーマンス性能に優れたCIフィッシュはレトロフィッシュの弱点だったライディングの重さが全くないのでトライフィンからの乗り換えにも最適だし、トライフィンとの2本持ちやセカンドボードとしてもオススメです。
以上がCIフィッシュのインプレとなります。