アルメリックの2020年モデル「フィッシュベアード」のインプレをお届けします。 フィッシュベアードはアルメリックの中で今1番売れているモデルです。気になっている方も多いと思いますのでフィッシュベアードに乗り込んでみて分かったことをインプレしていきます。
FishBeard(フィッシュベアード)について知っておきたいこと
フィッシュベアードはアルメリックの超人気モデル「ネックベアード2」をベースにモダンフィッシュの要素をミックスしたハイブリッドボードです。
ベースのネックベアード2はパドルの速さ、テイクオフの速さ、ライディングのスピード、ターン性能、エアー性能のどれをとっても”超”反則レベルのボードです。
フィッシュベアードはノーズから2/3まではネックベアード2で残りの1/3がモダンツインフィッシュになっているので、パフォーマンスボードの様な性能とフィッシュの持つダウンザラインのスピード感、レールツーレール、フローを味わえる新感覚のボードになります。
フィッシュベアードの特徴
レール | ミディアム~フル |
ノーズ | ポインテッド |
テール | スワロー |
ノーズロッカー | 弱め |
テールロッカー | ミディアム |
フィンセッティング | ツインフィン |
対応するコンディション
スキルレベル | 初級レベル~エキスパート |
スタンス | ナチュラル |
対応サイズ | ヒザ~アタマ |
ブレイク | ポイントブレイク/リーフブレイク/ビーチブレイク |
フィッシュベアードのインプレ
インプレで使用したボードサイズ
■PUの5’7 19 1/8 2 3/8 27.7L
■PUの5’8 19 3/8 2 7/16 29.2L
今回インプレに使用したフィッシュベアードは以下のサイズです。
■PUの5’7 19 1/8 2 3/8 27.7L
■PUの5’8 19 3/8 2 7/16 29.2L
私の体重は73kg、サーフィン歴20年以上、週3~4回のサーフィン頻度、パドル力は問題なし。いつもは27L前後のパフォーマンスボードに乗っています。
今回はいつも乗っているパフォーマンスボードと同じくらいのリッター値である5’7と、約2Lほどリッター値を上げた5’8の2本で試乗してみました。
結論から先に言うと、サイジングに迷っている方はいつも使っているボードより2~4L前後リッター値をアップして乗ることをオススメします。ジャストフロートでは性能をフルに発揮できない可能性があります。
5’7(ジャストフロート)は動きは悪くはないけど
- いまいち走らない
- レールが若干引っ掛かってしまう
- フィッシュ本来のフローを感じることが出来なった
逆にサイズアップさせた5’8(若干オーバーフロート)のほうが
- はるかに板が走る
- フィッシュの持つダウンザラインのスピード感を感じた
- レールツーレールがスムーズにできた
- フローを感じつつハイパフォーマンスボードのようなアクションが楽しめた
フィッシュベアードはジャストフローでコントロールして乗るというより、板に乗せられる感じのほうがその特性を引き出せると感じました。当ブログではジャストフロートよりオーバーフロートを推奨します。*あくまでも個人的な感想なので、他のサイトやyoutubeなどのインプレも参照してください。
今回のインプレで使用したフィン
■Futures AMK Keel Fins
今回はこのフィンをメインで使用しました。Futures AMK Keel Finsはレトロキールフィンを最新のサーフシーンにフィットするようにアップデートさせたフィンです。
キールフィンの持つ特性を残しつつ、よりパフォーマンス性能を引き上げています。スムースなラインを描きつつ狙っていくセクションではパフォーマンス出来るフィンです。しっかりとホールドもしてくれます。
■DHD Futures ALPHA T1 Twin Fin Set
パフォーマンスツインフィンです。キールフィンよりスラスターよりのサーフィンが出来ます。センターフィン用のスタビライザーフィンも付属しているので使い勝手の良いフィンセットです。
フィッシュベアードとの相性も良く、よりパフォーマンス重視のライディングが可能です。
■Futures K2 KEEL for Twin Fin
レトロなキールフィンですが今風にアレンジされています。よりクラシックにスムーズにサーフィンしたい場合はオススメです。
ファーストインプレッション~脇に抱えてみた印象~
脇に抱えた印象ですが、いわゆるフィッシュの感覚ではなくオールラウンドボードやパフォーマンスボードに近い感覚です。一般的なフィッシュは全体的にボリュームがありますが、フィッシュベアードはさほどボリュームを感じません。フィッシュというより普通のショート感覚だと思ってください。
レール
レールですが公式ではミディアム~フルとなっていますが、触った感覚では若干ボリューム落とした厚みになっています。このレール設定は扱いやすい印象です。
ロッカー形状&コンケーブ
ステージドロッカーと呼ばれるセンター付近のフラットな部分により、厚いセクションやパワーのないセクションでもスピードをロスせずに繋げていけます。アルメリックのボードにはこのステージドロッカーが採用されているモデルが多いですね。
コンケーブはネックベアード2のまま浅めのシングルコンケーブになっておりテールはフラットアウトになっています。
テール形状
テールはボリュームを抑えたスワローになっています。レトロフィッシュよりスワロー部分の面積は小さいので、ツインにありがちなトップでフィンが抜けすぎるということがありません。
パドル&テイクオフのインプレ
とにかく滑り出しが速いです。これはネックベアードの反則的な速さを引き継いでいます。
ノーズエリア~胸の下辺りにしっかりとしたボリュームがありパドルがやりやすくスイスイと進みます。ロッカーがフラット気味で接水面が広いのでパドルが必然的に速くなるのだと思います。
前述しましたが、フィッシュベアードはオーバーフロートで乗ったほうが調子がいいです。オーバーフロートになることで必然的にパドル&テイクオフも速くなります。
ターン&リッピングのインプレ
フィッシュベアードに乗る前は縦への動きがどの程度出来るのか気になっていました。ツインフィンになることでネックベアード2のパフォーマンス性能が落ちてしまうのではないかと思ったからです。
ですが、これは完全に杞憂に終わりました。
フィッシュベアードはスーパーリッパブルでした!!
普段、スラスターに乗っていてたまにツインに乗ると、いろいろと気を使いながらターンしないと上手く乗れません。ですが、フィッシュベアードはスラスターに乗っている感覚でアプローチ&ターン出来ます。
しかも、ツインフィンなのでほどよくフィンが抜けます。いわゆるツインフィンよりは抜けにくいけど、スラスターよりは抜きやすい。なのでリップアクションに伸び悩んでいる方やフィンをいまいち抜けない方はフィッシュベアードに乗ることで化ける可能性があります。
また、このボードはとにかくスピードが出ます。スピードが出るので必然的にリッピングやエアーのメイク率も高まります。
こちらの動画を見ていただくとリッピング性能が分かると思います。元WCT選手のボビーマルチネスとシェイパーのブリットメリックのライディングです。動きがフィッシュのそれではなくハイパフォーマンスボードに近いというのが分かるかと思います。
粂浩平プロのインプレ動画です。板が走っているのがよく分かります。抜け感も絶賛してますね。
まとめ
■ ノーズから2/3まではネックベアード2で残りの1/3がモダンツインフィッシュ
■ ネックベアードならではのスピード性能と安定性、反則的なテイクオフの速さ
■ ハイパフォーマンスボードのようなターンが可能
■ ダウンザラインのスピード感、レールツーレール、フローが素晴らしい
■ スラスターに乗っている感覚でアプローチ&ターン出来る
■ 普段トライフィンに乗っている方にこそフィットするボード
これからフィッシュベアードを購入しようとしている方へアドバイス
ジャストフロートよりオーバーフロートをオススメします。フィッシュベアードはジャストフローでコントロールして乗るより、板に乗せられる感じのほうがその特性を引き出せます。
パフォーマンスボードのようなアクションが出来ますが、実際に同じコンディションで乗り比べるとパフォーマンスボードには及びません。そこは注意が必要です。
逆にパフォーマンスボードでは厳しいコンディションでもフィッシュベアードなら楽しめます。フリーサーフィンであればパフォーマンスボードではなく間違いなくフィッシュベアードを持ち出します。
今までツインやフィッシュに乗ったことがない方は不安に感じる方も多いと思いますが、間違いなくその乗り味に驚かれる思います。前述しましたが、伸び悩んでいる方はこのボードに乗ることで化ける可能性が高いです。
また、スラスターだけではなくこういったツインやフィッシュに乗ることで確実にターンの引出しが増えます。これだけをとってみてもフィッシュベアードに乗ってみる価値があると思います。