アルメリックNew Flyer

アルメリックのニューフライヤー(New Flyer)に実際に乗ってみた感想とインプレです。私の感想ではアルメリックの中で間違いなく今年No1のボードです。コシ~アタマくらいの波なら迷わずニューフライヤーを抱えて海に入っています。今回はニューフライヤー(New Flyer)を実際に乗ってみたインプレをお届けします。

まずはニューフライヤーの特徴をおさらい

ニューフライヤーはアルメリックのフライヤーシリーズの最新モデルです。フライヤー自体、もの凄く売れたモデルなので実際に乗っていた方も多いと思います。

そういう方はあの乗り味を思い浮かべると思いますが、今回のニューフライヤーは乗り味やボードのアウトラインなど全く違う板だと思ってください。

ニューフライヤーの進化

最近のボードは短く乗るのがトレンドです。各ブランドも短めのモデルをメインにラインナップさせています。

アルメリックのニューフライヤーもこのトレンドを組み込んでいて長さは短く、幅はワイドに、厚みもほどよく持たせる、このような特徴をもったアウトラインになっています。

 

ニューフライヤーのアウトライン

ファーストインプレッション

短くワイドになっていますが、そこまでボテッとした印象はありません。小波用のサーフボードにありがちなズングリしたタイプとは違いますね。

初めてこのボードを触った時に、『このボードは間違いなく日本の波にフィットするだろうな。』って感じました。仕事柄いろいろなボードを見て触っていますが、このようなファーストインプレッションはあまり記憶にないですね。

特筆すべき特徴

ニューフライヤーはロッカーに特徴があります。通常、小波用のサーフボードのロッカーはフラットかフラットに近いものが大半です。小波ではフラットのほうが接水面が広くなるので、ドライブ性能、スピード性能が増し、テイクオフも速くなるからです。

しかし、ニューフライヤーにはノーズにもテールにもロッカーがあります。

ロッカーがある分、テイクオフが遅くなるのかというと、そうではないんです。遅くなりません。むしろ滑り出しの良さを感じるくらいです。この滑り出しに良さは、周りでニューフライヤーを乗っているサーファーがみんな言っています。

不思議なんですよね。見たままのデザインだとテイクオフは遅いはず。だけど、実際には滑り出しの良さを感じる。相反する感覚が混在する不思議なボードです。

ニューフライヤーのロッカー

ロッカーがあるのでホレた波でのテイクオフもスムーズです。テールのロッカーはクイックなターンを可能にしています。フロントフィンの辺りからスパイラルVEEが入っているのも特徴ですね。スパイラルVEEというのはVEEの一種で普通のVEEより強調されているVEEのことです。よく分かりませんね(笑)

 

VEEというのはボードのボトムに入っています。 ↓↓↓

veeボトム

 

ボトムのストリンガー辺りが山になっていて、レール側に落ちていくのが分かると思います。ボトムにこのVEEを施すことで、レール TO レールのサーフィンが容易になります。ニューフライヤーのVEEはこの図よりもっと強めに入っています。

面白いことにここでも相反することが起きています。通常、VEEを施すとコントロール性能が増します。その分スピードがダウンしてしまいます。しかしニューフライヤーの場合、不思議なことにスピードが出ます!!なので、小波でもガンガン走れてしまいます。

なんで相反するのにスピードが出るんだ?? それは分かりません(笑)でも、ひとつ言えることはボードデザインというのは一部分だけの性能が全てではなく、全体の組み合わせで大きく変わると言うことです。それに流体力学という難しい理論も重要になってきます。

アルメリックのボードデザインには、こういったノウハウや理論が組み込まれているからこそ、ニューフライヤーのような素晴らしい板が出来るのだと思います。

実際に乗ってみたアルメリック ニューフライヤーの感想とインプレ

では、実際に乗ってみたニューフライヤーのインプレと感想です。発売以来、コシ~アタマでかなり乗り込んだインプレなので参考にしてください。

私が現在乗っているニューフライヤー(New Flyer) ↓↓↓

アルメリックNew Flyer

サイズ5’10 19 1/2 2 3/8 28.5L(体重78kg)

カタログ値では身長から2~4インチ短いボードを選ぶように薦めています。しかし、個々の体格で変わってくると思うのでケースバイケースでいいと思います。

ニューフライヤー詳細

フィンはFuturesフィンのWCTを使用。このWCTはかなり調子がいいフィンです。オールラウンドで使えますし、乗り手を選ばない乗り易さが特徴です。↓↓↓

今回使用したフィン

試したコンディションはコシ~アタマまでのサイズ。かなり乗り込んだ上での感想とインプレになります。

テイクオフの感想

しっかりとパドル出来ます。ボードに程よいボリュームがあるのでグイグイと進んでいきます。

特筆すべきは、滑り出しの良さです。かなりスムーズ、かつなめらかに滑り出していきます。結果テイクオフも速くなります。この滑り出しの良さについては、周りでニューフライヤーを持っている人は同じ様に感じるようで皆さん同意してくれます。私だけのフィーリングではありません。

エントリーロッカーがあるのでホレた波でもスムーズにチャージ出来ました。腰くらいのタルめの波でも速いテイクオフができるので次のアクションが入れ易いです。

ターンやドライブ感についての感想

かなりクイックに動きます。反応がいいと言うか、リアクションがいいと言うか、とにかく自分の描きたいラインにしっかりと乗ってくれます。

小波での場合、どうしても半径の小さなターンが必要になります。そのためにはクイックなレールワークが必要になります。ニューフライヤーの場合、このレールワークが抜群にやり易くなっています。本当にクイックです!!半径の小さなカットバックもバンバン決まります。

縦へのアクションについて

これも抜群にいいですね。半径の小さなターンからトップへクイックに上がっていきます。

トップでの返しも気持ちいいフィーリングです。ルースな感じではなく、蹴りこめばしっかりと答えてくれます。リエントリーの安定感もいいですね。幅がワイドになっている分、しっかりと受け止めてくれます。

ベストなコンディションは?

コシからアタマサイズでしか試していませんが、このくらいのサイズが1番フィットするように感じます。日本でもこのあたりのサイズが多いでしょうから間違いなく合うと思います。

タルい波でもホレた波でもコンディションを選びません。頭以上になってくると、私なら違うボードを選択します。

アルメリック ニューフライヤー(New Flyer)に対する私の結論

ニューフライヤーは、浮力系のボードとパフォーマンス系のボードの中間に位置するボードです。両方のメリットを上手く取り入れている完成度の高いボードですね。

浮力系のボードに乗ったときの、『もう少し、際どく攻めたいな~』という感じの物足りなさを、完璧に満たしてくれます。痒いところに手が届くという言葉がピッタリです!

私が1番気に入ったポイントは滑り出しの良さです。最近のボードでは間違いなくNo1ですね。その他のポイント(テイクオフ、ボトムターン、当て込み、安定性、スピード性、回転性)全ての項目で抜群の性能でした!!

乗り易いサーフボードなので初心者にもオススメできます。まだまだ浮力には頼りたくない、でも体力は落ちてきている。。。そんなサーファーにもオススメです。程よい浮力とパフォーマンス性でサーフィンが楽しくなりますよ♪

シグネチャーモデルではないので、他のモデルに比べて価格が安いというのもいい感じです。以上が、ニューフライヤー(New Flyer)の感想とインプレになります。

追記 2018年6月21日

発売以来数年が経ちましたが、2018年6月時点でもニューフライヤーは売れ続けています。間違いなくアルメリックの中でも1,2を争うロングセラーモデルですね。

ニューフライヤーですが、どちらかと言うとバックフッター向けのボードになります。自他共に認めるフロントフッターであればサンプラーのほうがフィットするかと思います。

アルメリック サンプラーのインプレ