カノア五十嵐、いや、五十嵐カノアって書いたほうがいいのかな。五十嵐カノアが東京オリンピックサーフィン日本代表の強化指定選手に内定しました。日米両国籍を持つカノアがいよいよ日本代表の強化指定選手としてオリンピックで金メダル目指すそうです!!
五十嵐カノアって誰?
五十嵐カノアはアメリカ生まれのアメリカ育ち。両親は日本人ですが出生による二重国籍保持者になります。現在サーフィンのトップツアーであるWCTの選手として世界を転戦しているサーフィン界のスターです。
これを観れば分かる♪ 五十嵐カノアのドキュメンタリー
オリンピックにおける国籍問題
オリンピックは当然その国を代表して出場します。代表になるための最低条件が国籍の有無となります。では、重国籍の場合はどうなるのか?
オリンピック憲章には国籍について以下の様に規定しています。
規則46付属細則
1- 同時に2つ以上の国籍をもつ競技者は、自己の判断により、どちらの国を代表してもよい。しかし、オリンピック競技大会、大陸別競技大会または地域別競技大会、もしくは関連IFが公認した地域選手権大会、もしくは世界選手権大会において、1方の国を代表した後はもうひとつの国を代表することはできない。但し、国籍を変更した者もしくは新しい国籍を取得した者に適用される下記第2項で規定の諸条件を満たしている者は例外とする。
二重国籍の場合は自分の判断でどちらの国を代表してもOKってことですね。カノアの場合は日本代表でもUSA代表にもなれます。そのかわりその後は他方の代表には例外を除いてなれませんよっていう決まりです。
テクニカル的な国籍問題
グローバルな現代、海外生まれの日本人アスリートも増えています。彼ら重国籍のアスリートにとってどちらかの国を選ぶというのは、その後の人生にもかかわる大きな決断となります。
日本の国籍法では出生による重国籍保持者は、原則22歳までに国籍の選択する義務が生じます。とはなっていますが、実務として厳格に上記規定が運用されているかといえばそうではないようです。
22歳過ぎても選択していない人も多いですし、過ぎたからといって日本国籍がなくなるわけでもないようです。たとえ22歳までに日本国籍を選択したとしても、アメリカをはじめ二重国籍が認められている国ならもう一方の国籍がなくなるわけでもありません。日本国籍を選択したとしても、もう一方の国籍はあくまでも日本においては離脱の努力を求められるって話しです。
そりゃそうですよね。他国の国籍について日本国があれこれ指図する権利はありません。あくまでも努力してくださいね~ってことなので、実情は容認している形になっています。(私は専門家ではありませんので上記内容の正誤は分かりません)
とは言っても日本代表になるなら日本代表として最低限のことはやってもらわないと困るよって一般的な考え
オリンピックのためだけに国籍を変更することってよくある話しです。個人的にはそこまでしてオリンピックに出場したい気持ちや情熱を持っていること、そして国籍変更に伴う厳しい条件や膨大な手続きをクリアーしたアスリートのことをすごいなって思います。並大抵の気持ちでは実現出来ないからです。
ですが、一般的にはあまり良い印象をもたれない場合が多いですよね。オリンピックのためだけだろって。日本国籍にしたからといって日本人として気持ちとか誇りはないんだろって。
国籍を変更したわけではない元々日本人である五十嵐カノアには当てはまりませんが、多少なりとも上記の様なネガティブな意見や印象をもたれる可能性はあります。
日本サーフィン連盟は、カノアに対しサーフィン日本代表を選出するための強化指定選手に入る為には”WCTにおいてUSA選手として参戦するのではなく日本選手として参戦すること”そして”日本のパスポート所持”を強化選手入りの条件として通達したそうです。
要は、日本人選手として世界を転戦し、日本のパスポートで移動しろってことですかね。最低限これをやってもらわないと日本代表とは認められないよってことです。
五十嵐カノア、日本選手としてWCT参戦を表明
五十嵐カノアのインタビュー要約:World Surfing League Japanより
『日本の旗のもとWCTに参戦します。これらもみんなの応援で頑張りますので応援お願いします。家族も親戚も日本人なので僕も子供の頃から日本の旗でやりたいなって思いがありました。これから日本の旗をもってワールドチャンプになりたいし、これからのオリンピックの目標もあるのでどんどん日本の旗で頑張って行きます。』
『日本代表で日本のオリンピックで出ることがでっかい目標だったので、金メダル取るために頑張ります。みなさんのサポートと応援がモチベーションになるのでこれからもよろしくお願いします。これからは日本代表としてWCTをまわります。スナッパーから日本人として初めてのCTなので楽しみで夜も眠れないくらいです。2018年も2020年のオリンピックのためにも頑張りますので応援よろしくお願いします』
いあぁ~、ついにWCTに日の丸が掲げられます。WCTのHPではすでにアイコンが日の丸に変わっています。嬉しいニュースですね。インタビューも謙虚でひたむきな彼の人柄と日本人としての強い想いと誇りが伝わってきました!!そりゃ応援しちゃいます!!
強化指定選手の中でまた競争があるので彼が日本代表に選ばれるかかどうかはまだ分かりません。強化選手には近い将来WCT入りするであろう選手も多くいます。また世界を良く知る大野修聖プロといったベテランもいます。カノアも含め日本代表を目指している全ての選手を応援していきたいと思います。