今年もWSL第1戦クイックシルバープロがゴールドコーストのスナッパーズロックで開催されました。2017年度の初戦ということで選手たちも相当気合いが入っています。ツアー初戦のクイックシルバープロで優勝したサーファーは、そのまま勢いに乗ってワールドチャンプになれるというジンクスもあります。
今回はクイックシルバープロ@ゴールドコーストの現地レポートをお届けします。
コンテスト会場はお祭り騒ぎ
スナッパーズ周辺の会場は子供からお年寄りまで人、人、人で大賑わい。いかにサーフィンがオーストラリアではメジャースポーツなのかを改めて感じました。日本では考えられない程の人出です。
ジョンジョンは2016年のチャンピオンなのでイエロージャージですね。イエロージャージは初戦の場合は前年度チャンプが、初戦以降はランキング1位の選手しか着ることが出来ない特別なジャージです。
選手の背番号付きジャージはオフィシャルストアで買うことが出来ます。
クイックシルバープロで個人的に気になる選手
Owen Wright(オーエンライト)の復活
チャンピオン争いが最終戦までもつれた2015年のツアー。パイプラインマスターズの結果次第ではワールドタイトルを狙えたOwen Wright(オーエンライト)。
パイプラインでの練習中にワイプアウト。直後から頭痛を訴え病院へ。検査の結果コンテストを棄権することに。
軽いと思われた病状ですが、翌年のツアーも全戦棄権せざるえない程、オーエンの脳は深刻なダメージを負っていました。ボードの上に立てない程の状況からリハビリを1年以上かけて行い、今回のクイックシルバープロでツアーに復帰しました。
Kanoa Igarashi(カノア・イガラシ)とConnor O’Leary(コナー・オレアリー)
個人的に今回の大会で注目したのは、メンズラウンド2で対戦したKanoa Igarashi(カノア・イガラシ)とConnor O’Leary(コナー・オレアリー)のヒート。
国籍はアメリカ人とオーストラリア人ですが、共にジャパニーズブラッドを持つ2人。カノアは両親が日本人のアメリカ育ち。コナーは母親が日本人のオーストラリア育ち。
結果はコナーが勝ちましたが、見ごたえのある対決でした。
参考までに2人が乗っていたボードは、カノアはアルメリックのT-Low、コナーはアルメリックのBunny Chowでした。
今大会の10ポイントライド
Italo Ferreira(イタローフェレイラ)の10ポイントエアー
ルーキーEzekiel Lau(エゼキエル・ラウ)の10ポイントバレル
コンテスト結果
ファイナルはMatt Wilkinson(マットウィルキンソン)とOwen Wright(オーエンライト)。
マットウィルキンソンは去年のクイックシルバープロで優勝しています。ワイルドでキレのあるバックハンドが武器のマット。スナッパーの波との相性も良く、セミファイナルではジョンジョンを破ってのファイナル進出です。
そして、脳に深刻なダメージを負い1年3か月ぶりに復帰したOwen Wright(オーエンライト)。玄人好みのパワフルでクラシックなバックハンドは健在で、セミファイナルでも2014年世界チャンプのメディーナを撃破してのファイナル進出です。
1年以上CTレベルでのサーフィンから離れていたオーエンにとって、そのハンデを埋めるのは簡単なことではなかったはずです。事故の直後はサーファンはもちろんボードの上にすら立てなかった状態からロングボードで練習を始め、ミッドレングスに移行し、そしてCTで見事に優勝し復活しました。
オーエンの復活劇は間違いなくサーフィンの歴史と多くの人の記憶に残るでしょう。
ROXY Proではステファニー・ギルモアが優勝
ガールズのROXY Proはステファニー・ギルモアが優勝しました。過去6度のワールドタイトルを獲得しているステファニーですが、今年は7度目のタイトルを獲るかもしれませんね。